FXの自動取引等をするために、常時稼働ができるWindows VPSを検討したことがある方は多くいると思います。
しかしながら、どこのVPS業者もWindowsは少々高めの値段設定になっていると思います。
それに比べてLinuxプランはWindowsプランに比べて安く利用できるため、なんとかLinuxでWindows用のアプリを動かせないか調べてみたところ、Wineというソフトウェアを使うことで動かせることが分かったので解説していきます。
目次
実行環境
今回は、下記環境で構築しました!。
OS | CentOS7 64bit |
CPU | 2 Core |
メモリ | 1GB |
Wineをビルドする
Windows用アプリを動かすには「Wine」というアプリが必要ですが、MT4といった一部アプリは64bit版では動かないため32bitを使う必要があります。
普通にインストールすると64bit版になってしまうため、自前でビルドする必要があります。
既存のWineを削除
すでにWineが入っている場合は、下記コマンドで削除します。
コマンド
yum erase wine wine-*
ビルドツールのインストール
Wineのビルドで必要となるものをインストールします。
コマンド
yum install samba-winbind-clients -y
yum groupinstall 'Development Tools' -y
yum install libjpeg-turbo-devel libtiff-devel freetype-devel -y
yum install glibc-devel.{i686,x86_64} libgcc.{i686,x86_64} libX11-devel.{i686,x86_64} freetype-devel.{i686,x86_64} gnutls-devel.{i686,x86_64} libxml2-devel.{i686,x86_64} libjpeg-turbo-devel.{i686,x86_64} libpng-devel.{i686,x86_64} libXrender-devel.{i686,x86_64} alsa-lib-devel.{i686,x86_64} -y
Wineのソースをダウンロード
今回は、Development(開発版)の2.11を使用しました。
コマンド
cd /usr/src
wget http://dl.winehq.org/wine/source/2.x/wine-2.11.tar.xz
tar Jxfv wine-2.11.tar.xz
ビルドする
上記でダウンロードと展開を行ったディレクトリに移動して、64bit版と32bit版を格納するディレクトリを作成します。
コマンド
cd wine-2.11/
mkdir -p wine32 wine64
64bit版を先にビルドします。
コマンド
cd wine64
../configure --enable-win64
make -j 2
次に32bit版をビルドします。
コマンド
cd ../wine32
../configure --with-wine64=../wine64
make -j 2
両方ビルドが完了したら、そのまま32bit版からインストールします(ディレクトリはそのまま)。
コマンド
make install
同様に64bit版もインストールします。
コマンド
cd ../wine64
make install
インストール後、下記コマンドを実行して確認できたらOK。
Windows用アプリを動かしてみてください!
コマンド
[root@xxx.xxx.xxx.xxx wine64]# file `which wine`
/usr/local/bin/wine: ELF 32-bit ....
[root@xxx.xxx.xxx.xxx wine64]# file `which wine64`
/usr/local/bin/wine64: ELF 64-bit ....